2018年11月16日
Reversible Double Big CT
この生地は、昭和初期よりドイツのションヘル社の織機が伝来し製造された
国産のシャトル織機で約50年前に普及しましたが、
エアジェット織機など高速織機が普及する現在では生産中止になり、
稼働台数も少なく、かつての名機とも言われる希少価値のある代物となりました。
超低速自動織機に属するションヘル織機は、手織りの織機の原理を動力化したシンプルな構造です。
ガチャンガチャンと部品それぞれがまるで一人の職人の手のように与えられた役割をこなし、
繊維を傷めることなく優しくゆっくり丁寧に反物を織り上げていきます。
今では多くの織物工場が革新織機を導入し、生産コストダウンに邁進する中、
大変貴重な織機を使わせて頂きました。
実際に織機を見に行きましたが、ガチャンガチャンという音が外からも聞こえワクワクしました。
そしてびっくりしたのが、若い方々が織機を動かしていた事。
この世界がどんどん進化を続け上へ上へと行こうとする力が多い中、私は思うのです。
それは正しいのか?
ある意味では人間にとって楽になり助けになる事もあるでしょう。
今後、何を選択し生命を美しい方向に導くのは今生きている私達。
常に美しい方向でこれからも生地を作っていきたいと心から思います。
そして一重仕立てとは何か?
一枚の布地が二枚合わさっている素材を縫い代だけ綺麗に割きます。
ここの工程だけでも厚さ薄さで手加減が変わり技術が必要です。
そして割いた布地同士を手縫いで仕上げていくのです。
80%が手縫いです。
また1人の職人さんが全ての工程を行うのですが、今ではそれが出来るのも数える程です。
私も学生の時、一重仕立てのコートを作りましたが、気の遠くなる作業で、
指ヌキをしたまま寝てしまったのを今でも思い出しますが、
縫い上がった時の達成感とその服の愛おしさは格別でした。
今回このようなコートを仕上げられたのも、素晴らしい織機と卓越した技術の職人さんによって出来た賜物だと思います。
感謝です。
そしてMACHU PICHU SHOPで一目惚れしてお買い上げ頂いたお客様。
本当にありがとうございます。
今年は中々寒くならず、売れるのかドキドキでしたが11月初旬には完売致しました。
思いのこもった商品は言葉いらず
見て触っただけで分かるのですね。
また来年も同じく生産していけたらと思っております。
是非一生物のコートをお楽しみにお待ち下さいませ。
春物もウールとリネンで同じく商品を作っております。
2月は何かとセレモニーが多いですよね。
是非また告知致しますのでMACHU PICHU SHOPに遊びに来て下さいませ。
長文となりましが、筆がとまりませんでした、、、、
最後まで読んで頂きありがとうございます。
大島れい